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初カヤック釣りを終えて、カヤックレビュー

前回の記事では、正直なところ「疲れた…」という感想ばかりを書いてしまいました。

今回は気持ちを切り替えて、私が使用している分割カヤックの性能について、
実際に使って感じたことをまとめてみたいと思います。

防水性能について

海から戻ったあと、まず確認したのは浸水の有無です。
前後それぞれのハッチを開けてチェックしてみました。

  • 前側ハッチ:水滴が少しある程度
  • 後側ハッチ:ほぼ浸水なし

気になったのは、以下の独立している足漕ぎユニットの取り付け部分です。
念のため、取り付け部を外し、排水キャップ内部を確認してみました。

黄色線が境界になっています。左が外す前で、右が外した後。

排水キャップが付いているので、多少は水が入っているかと思っていたのですが
水滴すらありませんでした。

ユニットが独立しているワケを想像

そもそも、なぜ“わざわざ”この箇所を独立構造にしているのでしょうか?
あくまで私の想像ですが、こういった理由があるのではないかと考えています。

● 想定される負荷の流れ

  1. 足漕ぎユニットで「漕ぐと」金具部分に負荷がかかる
  2. その負荷が繰り返されることで、「ネジ受け部分」に緩みや破損が生じる可能性がある
  3. 結果として、固定金具周辺から浸水するリスクが高まる

もし本体一体型の構造であれば、万が一その部分から浸水した場合、艇内部全体が浸水してしまいます。

このカヤックは分割タイプなので、
もし、前部だけが完全に浸水してしまった場合、
カヤック自体は沈没しませんが、
当然まともに進むことが出来なくなってしまいます。

しかし、浸水がこのユニット部分にとどまれば、
おそらく移動の大きな支障にはならないと思います。

ですので、前部全体への浸水を避けるために、
あえて独立ユニット構造にしているのではないかと感じました。

他社のカヤックを少し調べてみましたが、
必ずしもこのカヤックのように、
独立構造になっているわけではないようです。
(私が確認した範囲では、明確に独立構造と分かるものがなかった)

構造が複雑になれば、当然コストは高くなりますが、
「安全性を最優先に考えた開発思想」なのかもしれません。

● もし前部全体が浸水してしまったら

このカヤックは分割構造になっているため、
仮に前部または後部のどちらかが浸水したとしても、
艇全体が完全に沈没することはありません。

浸水した場合でも、積載している荷物の重量や
バランスによっては、前進できる可能性はあります。

しかし、浸水が「前部」なのか「後部」なのかによって、
前へ進めるかどうかの難易度は大きく変わってきます。

前部が浸水した場合

前部に水が入ると、艇全体は前方へ傾きます。

その状態で進もうとすると、
前方からの波をかぶりやすくなります。

特に重要なのは、前部の先端が水面(喫水線)の上なのか下なのかです。

  • 先端が水面(喫水線)より上 → まだ進行は可能
  • 先端が水面(喫水線)より下 → 抵抗が大きくなり、進行が困難

前が沈み込んだ状態では、水の抵抗を強く受けるため、
前進は不可能ではないにしても、かなり厳しい状況になると考えられます。

後部が浸水した場合

一方で、後部が浸水した場合はどうでしょうか。
たとえ後端が水面(喫水線)より下でも、
前部先端が水面(喫水線)より下のケースと比べれば、
進行への影響はかなり小さいと考えられます。

以上のことからも「前部の浸水」に対するリスクは「後部の浸水」よりも高く、
だからこそ、前部の設計はより安全設計にする必要があったのかもしれません。

2日連続使用後の状態(追記:9/13)

その後2日続けて海に出たので、その後の様子(浸水の具合)を追記します。

  • 後方ハッチ:浸水ほぼゼロ
  • 前方ハッチ:若干の浸水あり(約50mL程度)
カヤック前部の中の画像です。中央の溝に水が少し貯まってます。カヤック前部は何度か波で水をかぶっていました。天面左側の穴のある箇所は防水処理されてないので、そこから浸水した可能性が高いと思います。この穴は使う予定がないので、今度ボンド等で塞ごうと思います。

前側の浸水した水量としてはごくわずかです。
内部で「チャポチャポ」と少し音がする程度。

また、足漕ぎの独立ユニット部分は浸水ゼロ
この部分に関しては、毎回わざわざユニットを外さなくても、
キャップの中を確認する程度で良さそうです。

安定性能

このカヤックは、全長290cm・横幅80cmと、サイズとしては比較的平均的な部類に入ります。

しかし、一般的なシットオンカヤックと重ね合わせてイメージしてみると、
見た目以上に船体の接水面積が広いことが分かります。

そのため、水面にしっかりと浮く感覚があり、
実際に乗ってみても比較的高い安定感を感じました。

横幅が80cmあることで左右のブレが少なく、
初心者でも安心して扱いやすいバランス設計だと思います。

サイズだけを見ると“標準的”ですが、
実際の体感としては、数字以上に安定志向のカヤックという印象です。

安定感があるとはいえ、
カヤックの上で立ったりすることは絶対しないでください。
例えたら、平均台の上で立つようなものです。

そもそも普通のカヤックは、立つことを想定した構造になっていません。
座っていても、波風の影響や自分自身の体重移動で、
ひっくり返ることは実際にあるようです。

この日に行った重心が変化する動作

  • 前側ハッチを開けてアンカーを取り出す
  • アンカーロープを左舷先端のクリートに固定
  • アンカーの投入と回収
  • クーラーボックスやバッカンへの荷物の出し入れ

これらの動作では、多少の重心移動は避けられません。
しかし、これら通常の動作であれば、
大きな不安を感じるような場面はありませんでした。
カヤックが不安定になるのは、

です。上記の行った動作のように、
前後へ移動(重心移動)することは可能でも、
左右へ移動(重心移動)したら、例外なくひっくり返ります。

ですので座っていても、左右どちらかへ大きく体重をかけたら、
このカヤックでも簡単にひっくり返ってしまいます。
それはどのカヤックでも同じだと思います。

逆に無理な体勢や急な動きをしなければ、
安心して釣りができる、バランス重視のカヤックだと思います。

浮力性能

今回は、実際に船へ積み込んだ荷物の重さがどれくらいだったのか、
簡単に図にまとめてみました。

自分(コア)を除いた前後の重量配分では、
後部の方が約7kg重くなっています。

また、一番重い自分自身(コア)の位置はほぼ中央なので、
艇が後へ大きく傾くこともなく、
ほぼ水平な状態を保っていました。

一番、海面と近い箇所は、足漕ぎペダルの部位で、
同箇所の海面との差は、以下図のようにわずか15cm程度です。

足漕ぎペダルを取り付けている金具は完全に海の中です。

今回の場合では、荷物の重さが約20k。
それに自重が加わると合計100k弱です。

このカヤックの最大耐荷重は約200kgと記載されていたので、
荷重的にはまだだいぶ余裕があります。
なので、この程度の荷重で大きく前後どちらかに傾いたり、
喫水線(水面)が上にきたりすることもなさそうです。

分割構造ながらも、前後の浮力設計もしっかり考慮されている感じです。

積載重量は軽い方が良いわけではない

ちなみに、荷重が軽すぎると、かえって安定性が落ちるようです。
軽い方が移動は速くて楽なのですが、
その反面、船体が水面に浅く浮くため、
横揺れに対する安定性が低下するようです。

前・後部の連結強度について

カヤック前・後部の連結は強固で、
人が無理やり力任せに引き離そうとしても不可能です。

分割方法は付属マニュアルに記載されていませんが、
以下の方法で簡単に分割可能です。

分割方法の手順

  1. 連結部のベルトを左右外す
  2. カヤックを上下逆さまにする
  3. 縁石などに片側を乗り上げ浮かせる
  4. 連結部分(赤円)に体重をかける

注意点としては、
縁石や地面と接触する部分にはタオルなどを敷かないと傷が残ります。

このように実際に前・後部連結した状態のカヤックを分割してみると、
連結の強度が実感できます。

ようするに前後を連結している左右のベルトが破損したり外れたりしなければ、
分割するのは不可能な構造です。

ただし、この左右のベルトやベルトを固定している金具は、
絶対壊れないものであはりません。
もし大きな力が加われば、
例えば、トンカチのような強い衝撃や、
強い切断する力がはたらけば当然壊れてしまいます。

あとは経年劣化した場合も、
強度が弱まり破損が早まります。

ですが、現時点、本来の状態では、

という、私の感想になります。

移動速度について

正確な速度計測はしていませんが、
今回の移動距離と所要時間から計算すると、
おおよそ時速3〜4km程度だったと思います。

ネットで調べてみると、足漕ぎカヤックの最高速度は約6km、
平均速度は4km前後とされているようです。

足漕ぎカヤックは「腕を使わないから楽」というイメージが強いですが、
実際に漕いでみると、平地を自転車で走るような楽さはありません。

どれくらいの感覚かというと、

15〜20度ほどの上り坂を、ギアのないママチャリで登るイメージ。
立ち漕ぎをしなくても登れなくはない、
しかし決して余裕ではない、微妙な角度の上り坂です。

無理もありません。
海は地上の場合と違って、
前へ進むには、
大きな抵抗「海水」が存在するのですから。

なので、より鋭角なカヤックであれば、
この抵抗は減らすことができると思います。
しかし、当然、カヤックが鋭角になるほど、
不安定(横方向の力に対して弱く)になります。

移動距離の目安

自分の平均速度や1日で移動できる距離が分かってくると、
コースや計画も立てやすくなります。

今回、1日で移動した距離は約4kmほど。
一気に無理なく移動できた距離は、最長で約1km程度でした。

分割カヤックの旋回性能について

舵の操舵は、左舷に設置されたレバーで簡単に行えます。

レバーはとても軽く、操作に強い力は必要ありません。
漕ぎながらでもスムーズに方向転換ができる印象でした。

旋回径については正確な計測はしていませんが、
直径およそ5mほどの円を描くように反転できました。

小回りが利くタイプではないと思いますが、
釣りでの実用上は、十分な旋回性能だと感じました。

最大限に舵をきった場合の後方からの舵(角度)です。

手漕ぎのパドルについて

まず気になったのは、装備との干渉です。

私のカヤックでは、右舷前部にガーミン魚探を設置しています。
ですのでパドリングをする際は、魚探を避けるように漕ぐ必要があります。

そのせいもあり、パドリングは漕ぎづらく、
漕いでも思った以上に前に進まない感じがしました。

足漕ぎカヤックでありながら、あえて手でパドリングする方は、
ほとんどいないと思いますし、
実際のところ、推進効率を考えれば、
このタイプのカヤックは足で漕いだほうが前に進みやすいはずです。

とはいえ、足漕ぎペダルに万が一の不具合が発生し、
海上で動けなくなってしまっては大きなリスクになります。

そのため、パドルはあくまで予備ではありますが、
必須の装備だと感じました。

まとめ

ここまで書いてきた通り、
各項目において高い評価となり、
性能面に関しても特に不満もなく、
現時点でこの分割カヤックに非常に満足しています。

しかし私は初回のカヤックで一度は引退まで決意してしまいました。

それはカヤックの種類や性能の問題ではなく、
カヤックフィッシングという1日の行動全体において、
私自身の体力配分にまったく計画性がなかったことに尽きると思います。

ですので、どのカヤックにも共通することですが、
最も体力を使うのは、

「海に出るまで」と「帰着後」

です。

初回の私は、海に出る前の準備や運搬だけで、
すでにかなりの体力を消耗してしまいました。

さらに海上で6時間以上を過ごし、
移動や釣りで体力を使い続けます。

その状態で陸へ戻り、片付けをしようとしても、
体力はほとんど残っていません。

当然、思うように作業が進むはずもなく、
極限状態での撤収作業は、体力的にも精神的にも非常にきついものでした。

しかもこの日は釣果もなく、当たりすらなし。
正直なところ、「疲れた」という印象だけが強く残ってしまいました。

今振り返ってみて、大事だと感じたことはひとつ。

「無理をしない」こと。

すべてにおいて、です。

カヤックは短距離走ではなく、
どちらかといえばマラソンに近いと感じました。

計画的に体力を配分しなければ、必ず失速します。
もし歩くほど疲れてしまったのなら、そこで無理に走らない。
しっかり回復させてから、次の行動に移る。
その余裕こそが、安全にも、楽しさにもつながるのだと思います。

これからは自分の体力管理と計画性を磨いていきたいと思います。

おまけ:転覆した場合の回復行動

この動画は非常に参考になるオススメ動画です。
以前は転覆しても普通にまた乗れると思ってました。
もし前の私と同じ考えの方がいたら観てみてください。

転覆したときに海底に物を落とさないようにしとくのも大事ですが、
回復行動の邪魔にならない艤装の付け方も大事そうです。

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