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エレキでリチウムバッテリーを使う際の注意点①

2000年頃からシェアが増え出したリチウムバッテリー

エレキモーターの動力源はバッテリーになります。
以前はバッテリーといえば、鉛バッテリーでしたが、
しかし最近では、価格は少し高くなりますが、
軽量なリチウムバッテリーを使用している方も増えてきているように思います。
私もその一人です。

特にカヤックのような小型の船は、積載する重量が増えるほど明らかに速度が落ちてしまいます。
また、足漕ぎや手漕ぎといった人力のカヤックの場合、重量が増えることで疲労も大きくなってしまいます。

そのため、軽量なリチウムバッテリーの利用者が増えているのも、ある意味当然の流れと言えそうです。

リチウムバッテリーの問題点

現在販売されている多くのエレキモーターは、
もともと2000年以前に開発された設計をベースにしているものが多く、
基本的には鉛バッテリーを前提として開発されています

そのため、リチウムバッテリーの使用は想定されていないケースも少なくありません。
実際、商品の説明などを見ていると、以下のような注意書きを目にすることがあります。

なぜ、故障の原因となってしまうのでしょうか?

電圧の特徴が違う

鉛バッテリーとリチウムバッテリーの電圧特性が違う理由は
主に以下の理由があります。

参考:https://eco-power.jp/lithiumtest.html
赤色が鉛バッテリーで青色がリチウムイオン系バッテリーです。

■ 電極材質の違いによる電圧の違い

電圧は、正極と負極の「電位差」で決まります。
この電極材料の違いによって、そもそもの電圧帯が1〜2V程度異なります。

・鉛バッテリーの場合

鉛バッテリーは1セルの電位差が2.1Vで、12Vバッテリは6セルで構成されています。
なので満充電時の電圧は約12.6〜12.8Vくらいです。

・リチウムバッテリーの場合

リチウムバッテリーは1セルの電位差が3.6〜3.7Vで、12Vバッテリは4セルで構成されています。
なので満充電時の電圧は約14.4〜14.8Vくらいです。

■ 内部抵抗の違いによる電圧の違い

もう一つの違いは 内部抵抗 です。
内部抵抗の違いによって、使用時の電圧の下がり方が変わります

・鉛バッテリーの場合

内部抵抗が比較的大きいため、
大きな電流が流れると電圧が下がりやすくなります。

・リチウムバッテリーの場合

内部抵抗が小さいため、
電流が多く流れても電圧が下がりにくい特徴があります。

電圧が高いとどうなる?

高い電圧(V)そのものが、直接モーターにダメージを与えるわけではありません。
しかし、リチウムバッテリーの場合、電圧が高く、さらに使用中も電圧が下がりにくいので、
結果として多くの電流が流れやすくなります。
その結果、故障の原因になる可能性が高くなってしまうようです。

通常の機器(負荷が小さい場合)

一般的な電気機器(例えばパソコンなど)では、必要な出力が決まっています。

電力(W)= 電圧(V) × 電流(A)

という関係から、電圧が高くなると同じ出力を得るために必要な電流は少なくて済みます。
例えば240Wの機器があった場合

  • 12Vの場合(鉛バッテリー)
    240W ÷ 12V = 20A
  • 14Vの場合(リチウムバッテリー)
    240W ÷ 14V ≒ 17A

このように電圧が高くなると、
同じ出力を得るために必要な電流はむしろ少なくなります。
そのため一般的な電気機器では
リチウムバッテリーを使用しても問題にならない場合が多いです。

エレキモーター(負荷がある場合)

エレキモーターや電動リールなどは、
負荷が常に変化するため少し事情が異なります。

エレキのプロペラは水中で回転するため、
常に 水の抵抗という負荷 がかかっています。
この抵抗に負けないように回転を維持するため、
モーターはより多くの電流を必要とすることがあります。

ここまでは、鉛バッテリーでもリチウムバッテリーでも同じです。

・鉛バッテリーの場合

鉛バッテリーは電流が増えようとしたときに、
内部抵抗の影響で電圧が下がりやすいという特徴があります。
電圧が下がると回転数が減り、
水の抵抗(負荷)も減るので、より多くの電流(A)を必要としません。

簡潔に言うと、鉛バッテリーであれば、
モーターへの負荷が想定以上になりません。

例:鉛バッテリーの場合の消費電力

  • 電圧:12V
  • 電流:20A
  • 消費電力:約240W

・リチウムバッテリーの場合

リチウムバッテリーは電流が増えようとしても、
内部抵抗が小さいため、
電圧が下がりにくいという特徴があります。
そのため回転数は維持されやすく、
水の抵抗(負荷)に対抗するように、より多くの電流(A)が流れてしまいます。

簡潔に言うと、
想定より高い電圧と電流で動作してしまう可能性が高くなります。

例:リチウムバッテリーの場合の消費電力

  • 電圧:13.5V
  • 電流:22A
  • 消費電力:13.5V × 22A = 297W

これはエレキがパワーアップしたわけではなく、
高い電圧(V)と電流(A)でモーターが動作してしまい、
本来以上の性能を引き出しているに過ぎません。

言葉には語弊がありますが、簡単に言うと「暴走」させている。
だからこそ故障の原因につながるのです。

その結果起こりうること

消費電力が増えると、エレキモーター全体の負荷も大きくなります。
その結果として

  • モーターの発熱が増える
  • コントローラーへの負荷が増える
  • 配線やスイッチへの負荷が増える

といった影響が出る可能性があります。

リチウムバッテリーを使用する場合は、
このような点にも注意して使用する必要があると言えるでしょう。

リチウムバッテリーを実際に使ってみて

私はこれまで約5年ほど、リチウムバッテリーを使用してエレキモーターを乗り換えながら使ってきましたが、モーターが焼けたことは一度もありません。
(スイッチの故障などはありましたが、
それがリチウムバッテリーによるものかは分かりません)

注意していたこと

リチウムバッテリーがエレキにダメージを与えやすい可能性があるという話は、
以前からなんとなく聞いたことはありました。
ただ、今回あらためて調べるまでは、
詳しい仕組みまでは理解していませんでした。

とはいえ、私自身はこれまで 高速(高出力)で走ることがほとんどありませんでした。

これまでフルスロットルで走ったのは、
「どれくらいスピードが出るのか試したとき」くらいで、
時間にしても 2〜3分程度 だったと思います。

というのも、私はかなりバッテリー消費を気にする性格で、

高出力=バッテリー消費が大きい

という意識が強くあったからです。
その結果として、モーターに大きな負荷をかける時間も短くなり、
今日まで故障せずに使えている可能性はあると思います。

連続使用に弱いエレキモーター

そもそもエレキモーターは、構造的に 長時間の連続使用に強い機器ではない と言われています。
実際、説明書にも「長時間の連続使用は控えるように」
といった注意書きが記載されていることが多いです。

ハイガー製エレキの説明書です。

これはリチウムバッテリーに限った話ではなく、
鉛バッテリーでも同じです。

ネット上でも、エレキモーターが焼けたという話はそれなりに見かけます。
もちろんメーカーやモデルによる差はあると思いますが、
鉛バッテリーだからといって 長時間の高出力使用が安全というわけではありません。

まとめ

私は単純にバッテリー消費を抑えたかっただけですが、
結果として 高出力での使用を控える使い方 になっていました。

そのような使い方を意識することで、
バッテリーの種類に関係なく、
エレキモーターをより長く使える可能性はありそうです。

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