エレキモでリチウムバッテリーを使う際の注意点①
では、リチウムバッテリーで高出力で使う際の注意点をまとめました。
注意点②では、『バッテリー残量表示』に関する注意点をまとめたいと思います。
バッテリー残量表示の問題点
注意点①でも記載しましたが、
現在流通しているエレキモーターの多くは、
鉛バッテリーを前提として設計・製造されているものが少なくありません。
そのため、リチウムバッテリーを使用した場合に問題となりやすいのが、
エレキモーター本体に表示される、以下のような「バッテリー残量表示」 です。

■ バッテリー残量表示機能
この表示機能は、バッテリーの残量を随時表示し、
航行中にバッテリー切れになってしまうことを防ぐためのものです。
具体的には、残量表示を目安にして、次のような行動がとれるようになります。
- 残量が少なくなってきたら → 出艇地点の近くまで移動する
- さらに残量が減ってきたら → 帰港する
このように、バッテリー残量を確認しながら行動することで、
海上で完全に電力がなくなってしまうリスクを減らすことができます。
■ 電圧の推移の違い
以下のグラフは、鉛バッテリー(赤色)と
リチウムバッテリー(青色)を使用時の電圧の推移です。

各バッテリーの電圧帯
- 鉛バッテリー:約12.1〜10.2V
- リチウムバッテリー:約13.1〜10.2V
各バッテリーの電圧降下の特性
- 鉛バッテリー:徐々に低下
- リチウムバッテリー:
電圧はしばらくほとんど下がらず、
残量が少なくなると 終盤で急激に電圧が下がる
このように、鉛バッテリーとリチウムバッテリーでは、
電圧帯をはじめ、電圧降下の特性でも大きな違いがあります。
鉛バッテリーを基準に設計されたバッテリー残量表示
エレキのバッテリー残量表示が鉛バッテリーを基準に設計されている場合、
上グラフの電圧推移(赤線)を参考にすると、
以下のようにバッテリー残量表示が正確に点灯すると思われます。
- エレキの残量表示100% → 12.1V → 実際のバッテリーの残量100%
- エレキの残量表示 50% → 11.6V → 実際のバッテリーの残量 50%
- エレキの残量表示 20% → 11.2V → 実際のバッテリーの残量 20%
同じエレキで、今度はリチウムバッテリーを使用した場合、
上グラフの電圧推移(青線)を参考にすると、
以下のようにバッテリー残量表示が点灯すると思われます。
- エレキの残量表示100% → 12.1V → 実際のバッテリーの残量10%
- エレキの残量表示 50% → 11.6V → 実際のバッテリーの残量 0%
- エレキの残量表示 20% → 11.2V → 実際のバッテリーの残量 0%
つまり、リチウムバッテリーの場合、
実際にはバッテリー残量が残り10%程度でも、
エレキのバッテリ残量表示では100%と表示されてしまう可能性があります。
リチウムバッテリーを使用した際の残量表示テスト
実際、過去にリチウムバッテリーのジャンプスーターでエレキを回転させて、
バッテリー残量表示の変化をチェックしたときがありました↓。
この結果を見ていただくと分かるのですが、
ジャンプスターターの残量表示は
リチウムバッテリーの特性を基準に設計されているため、
残量表示が段階的に減っていき、
ほぼ正確にバッテリー残量を示していたと思います。
一方で、エレキモーターに搭載されている残量表示は、
鉛バッテリーを前提とした表示のため、
残量表示はしばらく 100%のまま変化せず、
その後いきなり 20%表示になりました。
つまり、表示が20%になった時点では、
実際のバッテリー残量はかなりゼロに近い状態だったと考えられます。
バッテリー残量が20%の状態で慌てて出艇地点へ戻ろうとしても、
よほど出艇地点に近くなければ、
バッテリー切れになる可能性が高いと言えます。
リチウムバッテリーの残量を正確に知る方法
私の場合は、シンプルに バッテリーに電圧計を接続して、
いつでも確認できるよう魚探の近くにぶら下げています。
バッテリー本体に電圧や残量の目安が表示されるタイプもありますが、
カヤックの場合、バッテリーは椅子の後ろに置くことが多く、どうしても見づらくなります。
そのため、航行中でも確認しやすい場所に電圧計を設置するのがおすすめです。
設置もただバッテリーに接続するだけなので簡単です。
ただし注意点としては、
電圧が何Vのときに残量がどれくらいなのかは、把握しておくことが重要です。
鉛バッテリーの感覚で「12Vあるからまだ大丈夫」と思っていると大変なことになります。
目安として、エレキを回していない状態で、
12.8Vとなった場合 → 残量50%前後
イメージとしては、12.5Vになる前には出艇地点へ戻れるように
移動計画をたてると良いと思います。
電圧計では、以下のようにバッテリーの種類(鉛やリチウム)を選択できるタイプもあります。
バッテリーの設定で間違って鉛バッテリーを選択したりしなければ、
リチウムバッテリーの残量表示として十分使えそうです。
ですが、一番間違いがないのは、電圧の数値(V)なので、
残量表示はあまり当てにしすぎない方が良いと思います。















